「多様性」が国際社会でのスローガンとなりつつある昨今、文化、人種、言語といった境界線はますます曖昧になり、グラデーションのある社会に向かっていることを実感します。
そのような中、これからの日本語教師に求められる仕事は、純然たる「日本語」や「日本文化」を教えることにとどまらず、今まさに境界を行き来している学習者に対し、どのように寄り添い、支援していくかを考えることにあると感じます。もちろん 教師自身も境界の最前線に立ち、ときにそれを超えていくことも。境界の先では楽しさ、驚き、不安、喜び、様々な感情が引き起こされるドラマチックなシーンにきっと立ち会うことになるでしょう。
そこで得られるものは、みなさんの人生の中でも大きな財産になると確信しています。
教師といえば教える側というイメージが強いかもしれませんが、日本語教師の仕事には学びや発見がぎっしり詰まっています。
学習者の成長を見守り、支援する仕事ではありますが、実は教師も日々異文化に触れ、学習者と同様に頭を悩ませ、新たな気づきがあり、成長していくものだと考えています。
また近年学習者の多様性は進み、学習者を一括りにすることは難しくなっています。多様な学習者に出会った際に、彼らを受け入れる広い心、彼らを知ろうとする好奇心が日本語教師には必要だと思います。
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