前回「420時間コース修了」による日本語教師資格取得のお話をしましたが、法務省の告示内の該当部分を読むと、「学士の学位を有し,かつ,日本語教育に関する研修であって適当と認められるもの420単位時間以上受講し,これを修了した者」とあります。
ここで注目したいのは「学士の学位を有し~」という部分。
詰まるところ「420時間コース」修了による資格は学士の学位との「合わせ技」であり、大学を卒業していない場合、「420時間コース修了」だけでは要件を満たさないということです。
しかしながら、巷に出ている日本語教師の求人を見てみると、学士要件がなく「420時間コース修了単体」で応募条件としている求人もチラホラ(以前よりは減った印象ですが)。
はっきりと理由はわかりませんが、「学士学位が日本語教師としての業務に直結しない」という意識が現場にあるのかもしれません。
それでも国内の日本語教育機関において日本語教員として正式にカウントされるには「合わせ技」が必要であり、そのほうが採用の際に優位なことは確かです。
ただ慢性的な教師不足である業界の現状、上のような求人はしばらく出続けるのではないでしょうか。
一方、海外の状況はどうでしょう。
法務省の告示にある「合わせ技」はあくまで国内の日本語教育機関に適用されるものですが、外国ではそもそもの話、就労ビザ発給の学歴要件として学士が求められることがあります。
タイなどのように学歴要件が比較的緩い国もありますが、香港やシンガポールなど、大卒以上の学歴保持がビザ発給の原則となる国もあります(要件については、変更もあるので新しい情報をご確認ください)。
〈今回のまとめ〉
「420時間コース修了・学士なし」の場合、日本語教師としての就労は限定的ながら可能です。
···が、職場の幅(特に国内)を広げるためにも、該当する方は日本語教育能力検定試験受験も視野に入れることをおすすめします。
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カテゴリー: 日本語教師になるには? | 2018.09.10