Q .さっそくですが、中村先生の講座でのご担当は?
教材や試験の作成など教務全般を担当しています。講義を担当することもあります。
教務面での就職支援もしています。
Q.プライベートのことで恐縮ですが、オフの日はどんなことをしていますか? 趣味、特技、好きなこととかあれば教えてください。
泳ぐのが好きで週1プールに行っています。
海を泳いで渡るオープンウォーターや、年末108本プールを往復する「煩悩スイム」にも参加しました。
野球場にもよくいきます。
特定のチームを応援するわけではなく、
食べたり飲んだり寝たりしながら球場の雰囲気を楽しみます。
ほかには趣味ではないのですが、広い芝生があったら横になります。
知らない場所で目覚めたときの「ここどこだっけ?」
みたいな感覚が好きです。
Q .トップ画像に選んだ「わたしの1枚」についてお聞かせください。
エクアドルで遭遇したリャマです。
元々ラクダが好きだったですが、
目の大きさや幸せそうなスマイルωはラクダ以上にラクダで、それ以来リャマ派に鞍替えしました。
Q .そんな先生の「これまで」について自伝的に熱く語ってください!
インド時代 ―やりたいものを1から作ること-
日本語教師としてのスタートはインドでした。
技術もない、知識もない、相談相手もいない、そもそも町に日本人がいない…
日本語孤立環境の中、牧野誠一先生の「日本語基本文型辞典」を基にした拙い自作プリントを使ってやっていました。
今思うとそんな根無しで当時の学習者に申し訳ない気持ちもあります。
ただそこで感じた「1から新しいものを考える」「やりたいことをやりたいようにやる」という素朴な喜びは
今でも自分を突き動かす原動力になっていると感じます。
インドネシア時代 ―いっしょにやること-
インドからの帰国後、しばらく出版社で仕事をしたのですが、
日々の刺激のなさに物足りなくなりインドネシアへ飛び立ちます。
現地では、20名以上の教師団、チームで教師の仕事をするのがとにかく新鮮でした。
クラスについて一緒に考えたり、他の先生の準備や授業の様子を見たり…
恥ずかしながら、注意や指導もよく受けました。
私は教え甲斐のない若手だったと思いますが、
それでも一人では得られない気付きや学びがありました。
教師同士に限らず刺激的な関わり合いのある環境っていいですよね。
そんな場がどうやったら創られるのか、今の関心事のひとつにもなっています。
大学院時代 ―突き詰めること-
帰国後、インドネシアでの仕事に関連して「看護・介護の日本語教育」に興味を持ち、大学院に進学しました。
研究生活はさながら禅問答。
「どうして人はごはんを食べるの?」という問いに対し、
それまでは「お腹が減るから」
で許されていたのが、
「じゃあ、お腹が減らなければ食べないの?」
「むしろ食べるから減るんじゃないの」(!?)
と次から次へと疑問を投げかけられます(あくまでたとえです)。
「何となく」の人生に喝をくれる貴重な2年間でした。
他には国内の日本語学校や介護施設や専門学校で教えたり、
中国で渡航前の留学生に教えたり、定住者の奥様方に教えたり、寮の住み込みで留学生のお世話をしたり…
今は日本語の授業から離れ、
日本語教育の現場が恋しくなることもあります。
しかし、よくよく考えると今の仕事は
やりたいことを好きにやって、
だれかといっしょに何かをする楽しさを創造しながら、
教師養成を「突き詰めていく」
実はこれまでの良いとこ取りといえるのかもしれません。
Q .日本語教育で興味のある分野とか専門とかってありますか?その魅力や面白さも教えてください。
分野・専門と言っておいてアレですが、教育全般に関心があります。
教育を考えることは人間を考えること、
教育の探求は翻って自身の生き方に大きな影響を与える行為だと感じます。
人を創ることで自分を創る。
どんな仕事においても同じことはあると思いますが、日々それを実感できるのはお得?ですよね。
また大学院時代の研究テーマは「看護・介護職従事者への日本語教育」がでしたが、
最終的には「そもそも日本語教師ってなんだ? 日本語教育ってなんだ?」
という根源的疑問に立ち返りました。
昨今、看護・介護職だけでなく日本社会の移民の受け入れ関連のニュースを頻繁に目にするようになり、
日本語教師の役割に関する議論も活発になっています。
それらのニーズに合わせた日本語教育も模索されているところですが、
趨勢に翻弄されない日本語教育・日本語教師の在り方についても考えていきたいですね。
Q.養成講座で印象に残っているエピソードとか、講座担当者として大事にしていることとか、教えてください。
今でも思い出すのは、受講者さんが好きな日本の文化をテーマとして持ちよって授業を披露する講義です。
その日は、日本舞踊、阿波おどり、華道、芸者遊び、おりがみと、
バラエティ豊かな授業が次々と繰り出され、クラスはちょっとしたお祭り状態。
私は参加者として色とりどりの授業を純粋に楽しんでいたのですが、
その教師の手を離れた「お祭り」には、学びの重要な要素が含まれていたように感じました。
個性が発揮されること、主体的であること、人と関わり合うこと、自由に学びを得られること、
そして、楽しい!こと。
今後もそんな機会が講座内で増えればいいな、と思っています。
Q.最後にこれから日本語教育を学んでいる方々、学ぼうとしている方々にメッセージをお願いします!
多様な背景、経験、知識を持った受講者さんが集まるクラスはいつも刺激的。
日本語教師を目指す!、という方はもちろん、
「会社に外国の方が増えた」「外国人受け入れ政策に興味がある」「海外で働きたい」「何かを新しく学びたい」など、
きっかけは何でも構いません。
みなさんも日常生活から離れ、国際色豊かな高田馬場で「クラスメート」作りませんか?
お話、ありがとうございました!
カテゴリー: 講師・職員の横顔 | 2020.01.10