こんにちは。
京進ランゲージアカデミー日本語教師養成講座(新宿校)・教務の中村です。
教育機関にとってのオンライン授業移行の「壁」とは何か。
初回は「機材・通信の環境整備の問題」についてみてみましょう。
オンライン授業の実施においては
送り手と受け手の双方に
「機材」と「通信環境」
を揃える必要があります。
「機材」はPCやスマホ等,受講用の通信端末です。
授業形態によってはさらにカメラ、マイクが必要となることもあります。
「通信環境」はWi-Fiや4G等の通信ネットワークです。
映像と音声のやりとりがあるため、動画視聴と同程度の通信データ量と通信速度が求められます。
スマホや光回線の普及こそあれ、仮に20名が自宅等それぞれのスペースから参加するとして、
その全員が上記の条件を満たすのは幸運なケースだと言えます。
では条件が揃わない参加者が一人でもいたらどうするか。
対応策としては以下の二つが考えられます。
A.該当者全員に機材や通信環境を供給する
B.条件を満たす参加者のみにオンライン授業を提供する
Aは費用負担や機材等の管理の観点から、
Bは教育を受ける平等性の観点から、
いずれも実施者側にとって容易な判断ではありません。
公的性質を帯びた学校であればなおのことです。
どのように解決できるか?
今後オンライン授業実施が社会的に普及し、
その価値が認められれば
機材や通信端末の貸与が常識となるかもしれません。
また高速通信の普及や公衆Wi-FIの全地域への広まり等、
通信インフラの向上も解決の糸口となりそうです。
いずれにせよ現時点の状況では
解決しがたい問題の一つと言えるでしょう。
*情報は2021年1月時点のものです。
(画像はライセンスフリー)
カテゴリー: コロナ禍の日本語教育~養成講座からオンライン授業の今を見る~ | 2021.02.05