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オンライン授業移行の「壁」【その3:セキュリティの問題】

こんにちは。

京進ランゲージアカデミー日本語教師養成講座(新宿校)・教務の中村です。

 

教育機関にとってのオンライン授業移行の「壁」とは何か。

今回は「セキュリティの問題」についてみてみましょう。

 

日本社会でオンラインが急速に導入され始めた20年度の春先ごろ、

Zoom Bombing」の報告がメディアで取り上げられました。

これはオンラインweb会議システム「Zoom」での使用中、

参加を想定していない乱入者によって落とされる

「Bomb(爆弾)」

という意味の造語です。

 

具体的には、

オンライン授業中、

知らないだれかルームが入ってきて奇声をあげたり、

ワンちゃんの画像を参加者全員に見せたりするなどして、

授業の妨害行為をすること

などがこれにあたります。

 

これらの多くは愉快犯ということですが、

「爆弾」を落とさなくても、

既定の受講料を払わずにこっそり受講する、

同業種のライバル校が盗み見る、

といった実利目的のケースもないとは言い切れません。

 

なぜこのようなことが起こりえるのか?

いくつかのオンラインweb会議システムでは、

入室手続きの設定を簡素にすれば

URLのリンクやID入力だけで誰でも容易に入室できてしまいます。

ZOOMはその手軽さもあり、シェアを獲得しましたが

便利さがあだとなってしまったのです。

 

ではこのような事態を防ぐことはできるのか?

システム的には防止可能と言えます。

 

なぜならオンライン授業・会議の広まりと

Zoom Bombingの報告例から、

Zoom含むweb会議システムのセキュリティが

短期間で急速に強化されたからです。

 

Zoomの機能で言えば、

IDとは別にパスワードを設けられるほか、

入室に実施者の許可を必要とする設定にもできますし、

授業開始以降、入室をロックすることもできます。

 

それでも「Zoom Bombing」が起きるのなら、それは人的要因によるものです。

例えばWEB上のだれでも見られる場所にルームのIDとパスワードをさらすとか、

セキュリティ上必要な設定をし忘れるとか、

知らない参加者の入室を間違えて許可してしまう、などです。

 

またほとんど心配はないと言っても、

「正式な参加者」による悪意については防げない部分もあります。

奇声をあげる、のような目立った行為でなくても

画面上に映った他者の顔を勝手に使用するといった

「肖像権」上の問題行為は非常に気づかれにくいです。

(もちろん通学であっても盗撮は起こりえることですが)

 

・・・少し怖い話になってしまいましたが、

本講座含め、私の知っている限りでは

セキュリティ上の不備による以上のような問題発生の例は

これまで聞いたことがありません。

 

それでも一抹の不安が口実となり

オンライン授業移行の「壁」となる事態は、

「日本的」にも?起こりうることかと思います。

 

*情報は2021年1月時点のものです。

(画像はライセンスフリー)

カテゴリー: | 2021.02.12

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