みなさん、こんにちは
ヤンゴン校の金羽(かねは)です。
今日はヤンゴン校で行っているミャンマー人教師研修についてご紹介したいと思います。
日本人なら、日本語教師になるために必ずではありませんが、日本語教師の資格を取る必要があり、日本語教師養成講座や大学で日本語教育について学びます。日本語ができれば、日本語は教えられるだろうと思うかもしれませんが、外国語を教えるというのはみなさんが思っている以上に、技術や知識が必要です。外国人日本語教師も同様に、日本語能力だけでなく、教授法も身につけなければなりません。
ヤンゴン校ではチームティーチングを取り入れていることもあり、教師がある程度共通の教授法を身につけていないと、授業が成り立ちません。毎日、先生によって教え方が違うなんてことが起こると、学生は混乱してしまいます。そこで、ヤンゴン校ではミャンマー人の新人教師には2か月の教師研修が課せられます。これをクリアしないと、先生として教壇には立てません。
現在2名の研修生が教師研修を受けているので、その様子をのぞいてみましょう。
①授業見学
先輩の先生の授業を見学します。
授業見学は何となく見ていても、勉強になりません。何を見ればよいのか??
・授業のテクニックを盗む!!
「あ、これはいい!!」と思ったら、自分の授業でも取り入れてみましょう。ただし、完全コピーしてしまうと、かなり頓珍漢な授業になってしまうのでポイント、例えば、練習のさせ方、導入の方法などを盗みましょう。未経験の先生は、あれよあれよと授業が進んで行って、どこがポイントなのか掴むのが難しいので、とりあえず「導入の方法」に注目するなど、自分で注目するポイントを決めて、見学したほうが有意義です。
・学生の様子を観察する!!
教授技能研修の練習の場では、担当の先生または、研修仲間が学生役を務めることが多いですが、そうすると、本当の学生の反応というのはなかなか想像しにくいです。そこで、見学では学生の反応にも注目してみるといいです。「ひらがな、まだ読めない…」「先生の質問に何も答えない…」などリアルな学生が見られます。
また、テクニックを盗むにも通じますが、「学生の反応がいい」ということは「授業が上手くいっている」ということです。ですので、何を言って、何をして、学生の反応がよかったというのは、注目ポイントです。
②教授技能研修
研修担当の先生から教え方を学びます。
まず、研修担当の先生が授業の進め方を実演してみせます。その後、研修生は与えられた文法項目の授業案を作り、研修担当の先生に見てもらいます。
ここでは授業のよしあしはもちろん、「授業準備」の大切さも学びます。準備しないと、どんなに日本語が上手でも、教えられないということも感じてもらいます。
まずは、教案作り。自分のノートに文法項目の導入、練習のさせ方を書いていきます。教案の書き方は特に指定していませんが、回数を重ねるごとに書き込みの多いノートになっていきます。教案ができたら、教案を見ながら絵カードや文字カードを準備します。だいたい30分くらいで文法項目1つを準備するそうです。
研修担当の先生は何を見ているのか??
この段階では教える内容をチェックしています。例えば、導入の例文が適切か、練習のさせ方は難易度順になっていて、正しいかなどです。
③教壇実習
実際の授業に入って、教えます。
教授技能研修で練習したことを実際の授業で教えます。授業後は研修担当の先生からフィードバックがあります。
研修担当の先生は何を見ているのか??
実際の授業では、教える内容というよりはクラスコントロールの部分に注目しています。
教案通りに進めようとして、学生の反応や発言を無視していないか、時間配分は適切か、誤用の訂正方法などを見ています。また、予期せぬ学生からの質問や反応への対応もフィードバックの時にアドバイスします。
研修で上手くできたことも、完璧だと思った教案でも、実際の学生を前にすると上手くいかないことのほうが多いです。そして、学生は正直です。学生が言葉に出さなくても、つまらない、わからないというのは雰囲気で感じることができます。こう言うと、教壇に立つのが怖くなるかもしれませんが、最初はどんどん失敗してください。私も「あー、今日の導入はいまいちだったな…ここは直したほうがいいなあ」など、日々、失敗して、反省して、改良しての繰り返しです。学生も間違えながら、上手になるように、先生も失敗しながら、上手になっていきます。
(ミャンマーで教える④ 「日本文化体験」)
本ブログでは金羽先生に取り上げてほしいトピックや質問を募集しています!
カテゴリー: ミャンマーで教える (ヤンゴン校) | 2018.08.06